こんにちは、成長くんです。
今回のテーマは意思決定ルールについてです。
前編と後編に分けて書いていきます。
さて、
「なんでこの仕事受けるって言ったんだろう」
「なんでこの服買ってしまったんだろう」
みなさんこのような後悔をした経験はないですか。
このような後悔が多いのは、その時の感情や気分で意思決定をしてしまっているのが原因です。
みなさんが悪いのではなく意思決定ルールを作らずに意思決定してしまっているのが原因なのです。
人間は1日に3万5000回以上も意思決定をしています。
意思決定をパターン化することで迷いや後悔が減り、長期的に満足いく意思決定に近づくことができます。
ぜひ最後までご覧ください。
意思決定ルールとは
意思決定ルールとは、個人や組織がある状況において選択をする上での規則やガイドラインのことを言います。
意思決定ルールを用いることで、その時々の主観的な判断や直感に頼る代わりにより一貫性のあるアプローチを取ることができます。
意思決定ルールを作るメリット・デメリット
意思決定ルールを作るメリット・デメリットについてご紹介します。
・メリット
- 一貫性の向上
- 効率の向上
- バイアスの軽減
- トレードオフの明示化
- 迷い、後悔が減る
- 意思決定疲れが減る
- 時間の節約
上記のようなメリットがあります。
事前にルールを作ることで意思決定に使うリソースが節約され、意思決定による疲労が軽減します。
また、ルールに沿って意思決定をすることで一貫性、効率が上がります。
・デメリット
- 創造性の制限
- 特殊ケースへの適用が困難
- 過去のデータへの依存
- 柔軟性の低下
上記のようなデメリットがあります。
意思決定ルールを作ることは、制限をつけることになります。
そのため柔軟性の低下や創造性の制限といったデメリットが出てきます。
意思決定ルールを決めることで融通の効かない人というレッテルを貼られる可能性が上がります。
これらのデメリットによる損失を許容し、メリットを活かすためには自分が何を求めているのかをはっきりさせる必要があります。
自分が何を求めているのかわからない人は
こちらをご覧ください。
意思決定モデルの種類
意思決定ルールにはモデルがいくつか存在します。
自分がどの意思決定モデルを参考にするのかを考えながら見てください。
- 合理的モデル
- 有限合理性モデル
- 行動経済学モデル
- グループ意思決定モデル
- リスク回避モデル
- 満足的モデル
- 直感的モデル
・合理的モデル
意思決定者が全ての情報を完全に収集し最適な選択肢を選ぶモデル。
現実には情報の不確実性や制約条件があるため完全には無理だが、必要な情報は全部収集し理論的に最高の結果を出す。
・有限合理性モデル
時間やリソースが限られていることを考慮。
限られた時間やリソースの中でできる限りの情報収集や分析を行うモデル。
時間やリソースに制限がかかるため、合理的モデルよりも理論的に最適解にいく確率は下がる。
・行動経済学モデル
認知的なバイアスや情熱的な要因が意思決定に影響を与えることを考慮し、意思決定を行うモデル。
・グループ意思決定モデル
複数の人が関与する意思決定モデルです。
意思決定の異なる視点や利害関係を考慮。
・リスク回避モデル
安全で確実な選択肢を選びリスクを最小限にする意思決定モデル。
・満足的モデル
この意思決定による満足度を予想し意思決定するモデル。
・直感的モデル
本能や直感に従い意思決定をするモデル。
これだけあると迷いますよね。
意思決定は人生の重要度において変えるのもいいでしょう。
投資の時はこの意思決定、人間関係ではこの意思決定をするなど状況に応じて考えておくと意思決定による後悔は減ります。
実際血どんな意思決定ルールがあるの?
とお考えの方のために著名人の意思決定ルールをご紹介します。
著名人の意思決定ルール
ウォーレン・バフェット
「ルール1 損をしないこと ルール2 ルール1を忘れないこと」
この意思決定ルールは、ウォーレンバフェットが投資をするときの意思決定ルールです。
スティーブ・ジョブズ
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当にやりたいことだろうか。」
スティーブ・ジョブズは毎朝鏡の前でこの質問を自分に問いかけていたと言います。
バイアスに惑わされないように!
意思決定をしていく上でバイアスを知ることも重要でしょう。
なぜかというと、バイアスは意思決定にものすごく影響を与えるからです。
バイアスを知ることでより良い意思決定ができるようになります。
バイアスとは
バイアスとは、人々の判断や意思決定に影響を与える主観的な傾向や誤った信念、思い込みのことを言います。
バイアスの影響で合理的な意思決定ができなかったり誤った決断をしてしまう可能性が高まります。
バイアスに対する自己認識を増やすことが合理的な意思決定をしていくために必要です。
代表的な認知バイアス
・認知バイアス
バイアスの中でも認知バイアスが意思決定に影響を与えます。
認知バイアスは自分の経験に基づいた先入観や思い込みのことを言います。
認知バイアスの中で意思決定に影響を与えるものをいくつか出していきます。
・確証バイアス
確証バイアスとは、自分の信念や意見に近い情報に対して注意を向けやすく、逆に信念や意見に反対する情報を遠ざけてしまうバイアスのことです。
確証バイアスが強いと合理的な判断ができなくなります。
・現状維持バイアス
現状維持バイアスとは、人々がある状況や状態を維持しようとするバイアスのことです。
変化をした方がいい場面でも、現状維持を選んでしまうのはこのバイアスがあるからです。
・サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、すでに費やした資源(お金、時間、労力)に対しての執着から、費やした資源を取り戻そうとする心理傾向のことを言います。
パチンコなどのギャンブルでもこの心理に陥りますし、経営者が赤字の事業に執着し続けてしまい、辞める頃には何兆円もの損失になっていたなんて話もあります。
これらはサンクコスト効果が働いてしまったのが原因でしょう。
・現在志向バイアス
現在志向バイアスは、将来の大きな利益より目先の小さな利益を優先してしますバイアスのことです。
今日7500円もらうか、1年後に10000円もらうか選んでください。
と言われた時に今日もらえる方を選んでしまいがちです。
長期的に価値のある行動よりも短期的な報酬を優先してしまいます。
このようにバイアスが僕らの意思決定に大きな影響を与えています。
筆者のおすすめの意思決定スタイル
ここまで意思決定モデルとバイアスについて説明させていただきましたが、自分が参考にしたいモデルは見つかりましたか?
見つからない方のために、おすすめの意思決定モデルをご紹介します。
私がおすすめしている意思決定モデルは、有限合理性モデルと行動経済学モデルを合わせた意思決定スタイルです。
私がこのスタイルをおすすめする理由は、時間が限られている中で最善の意思決定をすることができるからです。
私たちは1日に3万5000回以上もの意思決定をしています。
この1個1個に合理的な決断をしようとすれば時間が足りません。
かといって何の基準も持たずに即決してしまうと、後から後悔してしまうような決断をしてしまう可能性が高まります。
そこで有限合理性モデルと行動経済学モデルを合わせた意思決定モデルを使います。
有限合理性モデルと行動経済学モデルを合わせた意思決定モデルを使う時に意識してほしい点が4つあります。
- 時間の制約
- 情報の制約
- 時間割引率
- 認知バイアス
意思決定をする上で上記の4つを意識します。
時間の制約
意思決定をする時は、期限と時間を決めましょう。
期限と時間を決める理由は以下の通りです。
- パーキンソンの法則に惑わされないように
- 先延ばしの防止
- 情報の制約
- 生産性が上がる
パーキンソンの法則をみなさんご存知ですか?
パーキンソンの法則とは、与えられた資源(お金、時間、労力)ギリギリまで資源を使ってしまう心理傾向のことです。
仕事の場合「完成までに利用可能時間ギリギリまで作業してしまう」
お金の場合「給料が上がったら上がった分だけ支出を増やしてしまう」
このような状況はパーキンソンの法則の心理傾向の影響です。
時間、期限を決めることで、できることが限られてきます。
完成度を100パーセントにするのは、80パーセントの完成度を作るよりか何倍も時間、労力共にかかってしまいます。
何かをするときは、相手のニーズを考えることで行き過ぎたリソースを使うことを避けることができます。
もし80パーセントで満足できるのであれば、100パーセントまでせずに空いた労力を別のことに使うことができます。
資源はトレードオフの関係(何かを選んだら何かを選べない)なので、そこまで考えて意思決定するようにしましょう。
何ができるか、できないかを考え、その中での最善を探すことが生産性を上げることにつながります。
情報の制約
情報の制約をする理由は以下の通りです。
- 効率向上
- 判断の迅速化
- リソースの最適化
情報に制約を持たせることで、効率が上がり判断の迅速化につながります。
選択のパラドックスをご存知ですか。
選択のパラドックスとは選択肢が多くなることで幸福度が下がってしまう現象のことを言います。
選択肢が増えることで自分の選択が最善だったのかに迷いや後悔が生まれ幸福度が下がると言われています。
また選択肢が増えることで脳が麻痺し最善の選択を選びにくくなってしまいます。
これらの理由から情報にも制約をつけるようにしましょう。
くれぐれも大事な情報に制約はつけないように、ニーズを理解して情報に制約をつけましょう。
時間割引率
時間割引率を知ることは意思決定をする上で重要な要素の一つです。
時間割引率とは、将来の価値を現在の価値に換算するための尺度のことを言います。
一般的に人々は将来の出来事や利益、コストなどを、同等の現在価値よりも低く見積もる傾向があります。
将来の価値を現在の価値より低く見積もってしまうのが人間なのです。
稲作が始まる前の人類は食糧を長期保存することはできませんでした。
そのため毎日生きるためには食糧をすぐに手に入れる必要がありました。
しかし、猛獣に襲われる心配がない、今日食べる食糧が確保されている現代では長期的な幸せを考えることができます。
以前は生存するためには今を生きる必要があったため、即時的報酬を好むようになったのでしょう。
このように人間は即時的報酬に反応するように進化してきました。
このような理由から、現在に意識が向きすぎる傾向が現代人の問題の一つになっています。
実際に将来の価値を今の価値に直すには数値化できないものほど難しいです。
意思決定において、時間割引率を計算することは数字で表しにくい分困難です。
なので将来の価値を甘く見積もっていないのかを確認するだけで大丈夫です。
それだけでも毎日の意思決定が長期的に価値のある意思決定に近づきます。
目先の利益に飛びつきそうになったら、一度立ち止まって将来の価値を低く見積もっていないのかを考える癖をつけましょう。
認知バイアス
先ほど解説しましたが、バイアスとは人々の判断や意思決定に影響を与える主観的な傾向や誤った信念、思い込みのことです。
より良い意思決定をするには、この認知バイアスについて知り、意思決定に影響を与え過ぎないように注意しなければなりません。
認知バイアスを知るといい理由は下記の通りです。
- 客観的で合理的な判断がしやすくなる
- 目標達成しやすくなる
- 自分を責めなくなる
- 自己認識が高まる
認知バイアスを知ることで客観的で合理的な判断ができるようになります。
また、認知バイアスについて知ることで自己認識が高まります。
それと同時に自分が悪いのではなく、人間のシステムでなってたんだと思うことにより精神的負荷も減ります。
認知バイアスについて知ることは、自分について知ることであり、人間の取扱説明書を読んでいるようなものです。
このような理由から認知バイアスについて知ることは意思決定にプラスの効果を与えてくれます。
認知バイアスについて知り、これからの意思決定に活かしていきましょう。
まとめ
今回は意思決定ルールについてまとめました。
前編では
意思決定ルールとは、個人や組織がある状況において選択をする上での規則やガイドラインのことであるということ、
意思決定ルールを作るメリットデメリットをご紹介しました。
また、意思決定モデルとバイアスをご紹介し、最後に私がおすすめする意思決定モデルをお伝えしました。
次回は意思決定ルールの後編で、実際にどのような意思決定ルールを作ればいいのかをご紹介します。