こんにちは、成長くんです。
今回はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)、日本語でいう自動思考についてまとめていきたいと思います。
みなさん
「気づいたら考え事をしていた」
「忘れたいのに嫌な記憶が浮かんでくる」
といった経験はありませんか?
この文章を読んでいる人は、何かしらの不安や考え事をした経験があるはずです。
「不安になりやすいのは自分だけだろうか」
こう思っているあなた、大丈夫です。
頭の中に浮かび上がってくるこの思考は度合いに差はありますが、安心してください、みんなが持っています。
この常に頭を支配してくる思考をDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と言います。
それでは早速DMNについてまとめていこうと思います。
DMNとは
DMNとは
「無意識的かつ自動的に活動する脳のネットワークの一つです」
DMNの構成要素は特定の領域だけでなくあらゆる領域のネットワークで構成されます。
「内側前頭前野」「前帯状皮質」「後帯状皮質」「楔前部」などのさまざまな部位のネットワークにより構成されます。
主に休息や自己評価、内省、将来の不安や過去の思い出を思い返す時などに活発になります。
このDMNはかなりのエネルギーを消費する存在です。
脳のエネルギー消費の60〜80パーセントを占めると言われています。
(ちなみに全身の消費エネルギーの中では脳が約20パーセントを閉めています)
DMNの存在理由は主に
1、記憶と情報の整理 2、自己認識と内省 3、社会的な認知
これら3つが存在理由であり、役割になります。
ここで野生で暮らしていた頃の人間の話をします。
人間は野生の中で100人ほどの集団で暮らしていたと言われています。
野生で暮らしている頃は猛獣に襲われる危険や、集団から追い出されて生存できなくなる不安を抱えながら生きていました。
常に危険や死と隣り合わせで生活していたわけです。
危険や死と隣り合わせの世界で生存するためにDMNは発達しました。
この生存本能とDMNは深く関わっています。
襲われている時に考え事をしている人と全力でその場から逃げている人どちらが生存確率が高いでしょうか。
答えは後者の全力で逃げている方です。
身の危険を感じた時、意識は外側に向かいます。
身の危険を感じると瞬時に交感神経が優位になり、その場から逃げるように人間の体にはプログラムされています。
このように人間は状況によって頭やホルモンの分泌を無意識かつ自動的に切り替える方法を身につけました。
これらの進化の過程で危険を感じた時、狩りを行うときは外側に意識が向くように、
休息時には意識が内側に向くようになったと言われています。
記憶と情報の整理
記憶と情報の整理はDMNの役割の一つです。
DMNは情報を整理して組織化するのに関与しています。
情報を整理し脳が理解しやすい形に加工します。
DMNが活性化することで過去の情報や経験が整理され新しい情報と関連づけやすくなります。
情報と情報が頭で結びつくことにより長期的に記憶に残りやすくなります。
余談なのですが、子供と大人の脳の構造は違います。
生まれてきたばかりの子供は知っていることがないため、情報をそのまま記憶する能力が高いです。
しかし中学を過ぎたあたりから脳の構造が変わり始め、単純に記憶することが幼少期よりも難しくなります。
大人になるにつれて、自分が既に持っている情報との繋がりを見つけると記憶に定着しやすくなります。
大人の方が記憶したい時は、自分の情報との繋がりを見つけながら読むと記憶しやすいので覚えておきましょう。
自己認識と内省
自己関連の思考や内省をするのはDMNの役割です。
個人のアイデンティティ、価値観、目標、欲望などについて考える時に活性化されます。
過去の情報を取り出し、未来への予測を立てるのもDMNが担当しています。
頭の中にあるたくさんの情報を整理することで新しいアイデアが生まれやすくなるので創造性が上がると言われています。
社会的な認知
DMNは他者の視点を理解し、関係構築にも関与しています。
DMNが働くことにより他者の意図や感情を理解することで共感することができます。
よく外交的な人より内向的な人の方がコミュニュケーション能力高いよと言われますが、その理由はDMNの量の違いでしょう。
もちろん個人差はありますが、、
意識を外に向けるより内側に向けやすいのが内向的な人の特徴です。
DMNが活性化することにより他者視点で考えることができます。
他者について考えるほど、共感能力は増していくわけです。
DMNのメリット・デメリット
DMNにはメリットとデメリットがあります。
今回はDMNが活性化している時のメリット・デメリットと、DMNがオフの状態のメリット・デメリットをご紹介します。
DMNがオフになっている状態とは集中状態を意味します。
DMNが活性化している状態と集中状態は通常は対立関係にあります。
DMNの活性化 メリット・デメリット
メリット
- 脳内の情報が整理される
- 創造性の向上(アイデアが出やすくなる)
- 共感力の向上
- 自己認識の向上
自己認識や内省を可能にするため自己成長や目標達成に役立ちます。
またクリエイティビティや問題解決に寄与する可能性、共感力が上がることにより社会的な繋がりを良くする可能性があります。
デメリット
- 注意散漫
- 脳が疲れやすい
- ネガティブ思考に支配されてしまう可能性
- ストレスが増える可能性
- 不適切行動が増える可能性
過度に働きすぎると、過去のトラウマから不安やうつ病を引き起こすこともあります。
ネガティブな思考が頭を支配した結果、不適切な社会行動を引き起こす恐れもあります。
集中状態 メリット・デメリット
メリット
- 集中力高まる
- 脳のエネルギー消費が抑えられる
- ネガティブ思考になりにくい
- 余計なストレス抱えにくい
- 作業の質と速度の向上
- 時間短縮
集中状態にする、DMNをオフにすることにより目の前の作業効率が上がります。
また、頭の中で不安を増大させる思考が減るため、余計なストレスが減り、ネガティブ思考になりにくくなります。
デメリット
- 思考が柔軟になりにくい
- 情報が整理されない
- 集中時間が長いと疲れる
集中状態にもデメリットは存在します。
思考が柔軟になりにくく、情報が整理されません。
また同じものに集中している状態(特定グループの長時間使用)が続くと、血流、酸素供給、栄養供給が減少します。
これにより疲労が溜まりやすくなるので要注意。
DMNを活性化させるには
DMNを活性化させるには意識を外側から内側に移すことが重要です。
- 空想に耽る
- 瞑想
- 自己分析、自己評価
- 読書
- クリエイティブな活動
- 記憶の回想
- 未来の計画、予測
上記の行動を取り入れることにより、意識を外側から自分の内側に移すことができます。
過去の記憶を回想する、未来への計画、予測をすることにより、意識を現在から今は存在していない過去、未来について考えるようになります。
目の前にないものを考える時にDMNは働くので、DMNを活性化させたい時は意識を今この瞬間から切り離してあげましょう。
ただDMNの良さは脳内の情報の整理、自己認識の向上、アイデアが浮かびやすくなることなので、常に意識するのではなく必要な時に活性化するように意識しましょう。
DMNの活動を減らす
DMNの良さを引き出すためには、DMNの活動を減らす場面とDMNを活性化する場面の使い分けが必要です。
危険に対処するために完全にオフにすることは難しいですが活動を減らすことはできます。
そこでDMNの活動を減らす方法もお伝えします。
- 課題や作業に取り組む
- 瞑想やマインドフルネス
- 運動
- 知らない場所に行く、体験をする
- 単純な作業
DMNの活動を減らすためには意識を内側から外側に向けることが大事です。
課題や作業、瞑想やマインドフルネスなど自分の脳内で考えていること以外に意識を集中するとDMNの活動は低下します。
ここに書いていないものでも意識を内側から外側に移すことができればDMNの活動は減りますので、自分に合う行動を試行錯誤しながら見つけてみてください。
まとめ
今回はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)についてまとめました。
DMNは「無意識的かつ自動的に働く脳のネットワークの1つ」でしたね。
情報の整理や自己認識の向上、アイデアが生まれやすくなるが、注意力散漫や集中力低下などいいところもあれば悪いところもある。
バランスよく集中状態と切り替えることが大事って結論に至りましたね。
僕自身DMNが働き過ぎて雑念が頭によぎって何かしらの邪魔をしていたので、DMNについて知れてよかったです。
得体の知れないものの方が怖いですからね。
わかっちゃえば上手に付き合っていく方法を試行錯誤しながら見つければいいので、個人的にはDMNがどんなやつかを知れてホッとしました。
みなさんもDMNと上手に付き合いながら素晴らしい毎日をお送りください。