こんにちは、成長くんです。
当ブログでは
見ることで昨日の自分より一歩成長できる、そんな記事を書いています
ぜひ最後までご覧ください。
前回までのあらすじ
さて、今回のテーマは認知行動療法のpart2ですね。
part1では、認知行動療法とは何か、なぜ取り入れるといいのか、認知行動療法のデメリットとは何かについて解説しました。
簡単に説明すると、、
認知行動療法とは
心理療法の一種で、心の健康や心理的な問題を理解し、改善するために有効なツールで、考え方や行動パターンを変えることに焦点を当てた治療アプローチ
のことです。
認知行動療法は、思考(認知)と行動が相互に影響を与えることを前提に、個人の思考や行動を変えることで感情や症状の改善を目指します。
認知行動療法では認知、行動、感情の3点に介入することで症状の改善を促します。
認知行動療法を使った方が良い理由
認知行動療法を使った方がいい理由は5つあります。
- 心理的負担の軽減
- 目標達成に役立つ
- 自己理解と自己成長の促進
- 自己管理能力の向上
- メタ認知の促進
認知行動療法を取り入れるデメリット
認知行動療法のデメリットは3つあり、
- 時間的負担
- 感情的負担
- 自己反省の過剰になる恐れ
上記のようにご紹介しました。
今回は前回までの内容を踏まえて、認知行動療法のやり方について解説していきます。
認知行動療法のやり方
今回のシリーズでは代表的な3つの技法をご紹介します。
- コラム法
- 暴露療法 (エクスポージャー法)
- リラクゼーション法
この中から今回はコラム法を詳しく説明していきます。
コラム法
コラム法とは
認知行動療法の一種で認知の歪みや問題解決に焦点を当てた技法です。
認知への介入をすることで不安やストレスを減らし、行動や感情を抑え問題解決を目指します。
本人が感情や問題、思考の歪みに気づき整理し、新しい認知を促してくれる技法です。
コラム法のSTEP
- 特定の出来事や状況を書き出す
- その出来事や状況での感情をリストアップ
- その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
- 認知の歪みに気づく
- 認知の再構築
コラム法ではこの5STEPで認知に介入して問題を解決します。
特定の出来事や状況を書き出す
まず最初のSTEPです。
特定の出来事や状況を書き出しましょう。
ここで大事なのは事実を書き出すことです。
よくありがちなのが、その出来事に対して自分の思考も反映させてしまってるパターンです。
例えば、、
「上司のBさんは私のことが嫌いだから怒ってきた」
Aさんはこれを出来事や状況として書き出そうとしました。
ここで考えてほしいのが、
果たしてこの出来事は事実なのか
ということです。
この出来事にはAさんの思考が反映されています。
この場合は、
「上司のBさんに午後2時12分に私に大きな声かつ真剣な表情で、何をやっているんだと言われた」
このようにするとAさんの思考が入っておらず客観的に状況を捉えることができます。
大体はここで捉える側の思考が入ってしまうため、できるだけ気をつけながら事実だけを抽出してください。
その出来事や状況での感情をリストアップ
最初のSTEPで事実だけを書き出すことができたら次のSTEPに進みましょう。
二つ目のSTEPでは、特定の出来事や状況での感情をリストアップします。
このSTEPでは思いつく限りの感情を書き出してください。
感情の種類を多くだす、つまり多様性を持たせることによって適切に表現できる可能性が高まります。
悲しいと言う感情を
「悲しい」としか言えない人と、
仲良かった友人と離れ離れになる時ぐらい悲しい
と表現できる人では感情の調整をする力が異なります。
感情に強弱をつけ多様性を持たせることにより自己表現が上手になるため更なる効果を期待できます。
先ほどの「Aさんが上司に大きな声で指摘された」話では、
ショック80%、怒り20%、恥70%、恐れ60%
上記のような感情が考えられます。
思いつく限りでいいので書き出してください。
パーセンテージなどを使って書き出すと感情の強弱もわかりやすいのでおすすめです。
その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
STEP3では、特定の状況での思考や信念を書き出していきます。
前のSTEPでは感情を書き出したので、その背景にある思考を書き出してください。
ここのSTEPでも思いつく限りの思考を書いてください。
これは違うなーと思ってもとりあえず書き出して大丈夫です。
先ほどの「Aさんが上司のBさんに大きな声で指摘された」話では、
「上司のBさんむかつくなー」 「自分のことが嫌いなのかなー」 「すぐに怒鳴る人嫌いだわー」 「なんか嫌なことしたっけな」
みたいな感じで思いつく限り書き出してください。
ここで本音を書いてもBさんにさえ見せなければ何も被害はありませんので、、
認知の歪みに気づく
STEP1、2、3で出来事、感情、思考について書き出していきました。
STEP4では、認知の歪みを識別していきます。
ここで「認知の歪み」と聞いて投げ出す人がいるかもしれません。
逃げ出しそうになった方は逃げ出す前に知っておいてほしいことがあります。
この認知を修正することは決して「あなたはダメな人だ」と言うレッテルを貼るためにしているわけじゃないと言うことです。
だから逃げ出したくても逃げ出すのは賢明ではありません。
認知の歪みに気づくために、自分自身にどの悪いバイアスがかかっているのかを確認します。
バイアスについてはpart1で解説をしているのでそちらをご覧ください。
また私たちは心理的スキーマと呼ばれる無意識の価値観を持っています。
この心理的スキーマはこれまでの体験から獲得した自動判断ツールのようなもので、
「黄色くて細長い果物と言われたらバナナ」
を勝手に連想してしまうのはスキーマによるものだと言われています。
このスキーマが認知の歪みの根本的な原因になっている可能性もあるので確認しておくとより良い認知の再構築につながります。
バイアスやスキーマに惑わされないように気をつけましょう。
今の自分より一歩成長するために、またはこれから余計な損をしないために前進するための気づきです。
認知の歪みというのは誰しもが持っているものであり、あなただけが持っているものではないので、恐れずに向き合っていきましょう。
認知の再構築
認知に気づくことができたら、最後のSTEPです。
認知の再構築をしていきましょう。
認知の歪みを認識し、よりバランスの取れた現実的な思考に変えます。
ここでは客観的な証拠や真実に基づいた見方をすることが大事です。
認知は
衝撃✖️頻度
で変化します。
衝撃が強ければ少ない頻度でも定着しますし、衝撃が弱ければ頻度を増やして定着させていきましょう。
いつも燃え尽き症候群のようになるダニエルさんでコラム法を実践
実際にどんな感じでするの?
と思っている方のために燃え尽き症候群になりやすいダニエルさんを題材にコラム法を実践していきます。
コラム法のSTEP
- 特定の出来事や状況を書き出す
- その出来事や状況での感情をリストアップ
- その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
- 認知の歪みに気づく
- 認知の再構築
特定の出来事や状況を書き出す
上記のSTEP通りに進めていきます。
登場人物のダニエルさんはいつも燃え尽き症候群のようになってしまうという悩みを抱えていました。
そこでダニエルさんはコラム法を実践することにしました。
最初のSTEPで特定の出来事や状況を書き出します。
ここでは事実を書き出すのがポイントです。
ダニエルさんは人生を変えたいと思い、読書や筋トレなどに取り組んだのですが、数ヶ月も経たないうちにやる気が全くなくなってしまって結局何もしなくなるという悩みを抱えています。
最近しなくなった事の一つが読書で、1日に100ページ読めれば人生が変わると思い始めたが、5日目にして60ページしか読めずに、次の日には本を取ることもしなくなりました。
ここまでが最初のSTEPです。
このSTEPでは事実を書き出しました。
その出来事や状況での感情をリストアップ
事実を書き出したら次のSTEPです。
この出来事や状況での感情をリストアップしていきます。
感情の種類を多くだす、多様性を持たせることを意識しながらできる限り多く書いていきます。
ダニエルさんは
5日目に60ページしか本を読めないことで、
自分自身への怒り 80% 将来に対する不安70% これも続かないと言う恥 50% 挫折感 70% 無力感90%
このような感情をリストアップしました。
その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
感情をリストアップしたらつぎのSTEPです。
この出来事や状況に対する思考や信念を書き出します。
ここでは思ったことを正直に書くのがポイントです。
「こんなふうに思っている自分が嫌だ」
と思う気持ちはわかりますがここでは正直に書いていきましょう。
5日目に60ページしか本を読めないことで感じた思考は、
「こんなのもできないなら成功できるはずがない」 「やっぱり無理なんだ」 「なんで俺ってできないんだろう」 「遺伝子が悪いからかな」 「もう何もしたくない」 「努力しても無駄だ」
このような思考がダニエルさんには出てきました。
思考や信念を書き出したら次のSTEPです。
認知の歪みに気づく
- 特定の出来事や状況を書き出す
- その出来事や状況での感情をリストアップ
- その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
上記の3STEPを終えたダニエルさんは認知の歪みを識別するSTEPに入ります。
ここまでのおさらいです。
5日目に60ページしか本を読めないことに対して、
「怒り」「不安」「恥」「挫折感」「無力感」
を感じました。
この感情や思考が出てきた思考、信念は、
「成功できない」「無理」「無駄」「意味がない」「自分が悪い」
でした。
「成功できない」という思考
ダニエルさんの場合は、
「ダニングクルーガー効果」と言う認知バイアスがかかっている。
ダニングクルーガー効果とは、実際の評価と自己評価にズレが生じる心理現象のことです。
Aさんの場合「成功できない」と言う思考は、否定的な予測を過大評価してしまっています。
「無理」という思考
他にも、「無理」という思考は完璧主義スキーマが関与している可能性が高いです。
この無意識の価値観(スキーマ)を持っていると成功や達成、挑戦が完璧じゃないと失敗とみなす傾向があります。
「無駄」「意味がない」という思考
「無駄」「意味がない」という思考には、ネガティビティバイアスがかかっている可能性があります。
ネガティビティバイアスとは、ポジティブな情報よりネガティブな情報 に注意を向ける思考の癖のことです。
リスクや不安を回避しようという人間の生存戦略ではありますが強すぎるのもさまざまな弊害を生みます。
「自分が悪い」という思考
「自分が悪い」という思考は、思考を個人化してしまっている可能性があります。
個人化とは外部で起きた出来事を他の可能性を無視して自分自身を過度に責めてしまうことを言います。
全ての出来事を個人化してしまうと、必要のない責任を取ったりして無駄なストレスを溜める恐れがあります。
このように認知の歪みについて出していきましょう。
認知の再構築
認知の歪みを認識した後は、新しく認知を構築していきます。
客観的な証拠や真実に基づいた見方をしていきましょう。
「成功できない」という思考であれば、
今はまだ成功できているとはいえない、これからは成功する可能性もあるし、成功しない可能性もある。
「無理」という思考であれば、目標を達成するのは無理かもしれない、ただし挑戦をしなければ目標を達成する可能性は0なので挑戦しよう。
このように認知を再構築することがコラム法のやり方です。
まとめ
今回は認知行動療法の技法の1つであるコラム法についてご紹介しました。
コラム法とは
認知行動療法の一種で認知の歪みや問題解決に焦点を当てた技法で、
本人が感情や問題、思考の歪みに気づき整理し、新しい認知を促してくれます。
具体的に5つのSTEPで行います。
コラム法の5STEP
- 特定の出来事や状況を書き出す
- その出来事や状況での感情をリストアップ
- その出来事や状況に対する思考や信念を書き出す
- 認知の歪みに気づく
- 認知の再構築
以上が今回ご紹介させていただいた内容になります。
次回は認知行動療法の技法の一つ、暴露療法(エクスポージャー法)についてご紹介します。